1818.10.20 1818年条約〜懸案のオレゴン地方について英米で共同領有することで棚上げ

米英戦争の後処理の条約です。外交とはグレーな結論が許される領域です。なぜなら、基本的には当事国同士が納得すれば良い話だからです。

オレゴン地方について、アメリカとイギリスの主張は完全には一致せず、とりあえず共同領有ということで棚上げ。共同領有とか雑居地とか、現代と当時の領土に関する感覚のズレがあることも忘れずに。

アメリカはイギリスと1818年[US042]条約を締結し、オレゴン地方を10年間共同領有することと、アメリカとカナダの国境を北緯49度線とすることに合意した。

最初にクールザックリまとめてみました。

1812年[US036]6月18日に勃発した米英戦争(1812戦争)でしたが、アメリカとイギリスはベルギーでガン条約に調印(1814年[US038]12月26日)して戦争を終結させました。

1818年条約(Treaty of 1818、1818年[US042]10月20日)は、ガン条約が残した懸案事項を解決した協定の1つです。アメリカとイギリスの双方が領有を主張していたオレゴン地方を10年間共同領有することが約されました。

また、ルイジアナ購入(1803年[US027]4月30日)にかからわず、放置されたままになっていたアメリカとカナダとの国境をウッズ湖からロッキー山脈にいたる北緯 49度線で確定すること等も約されました。


1818年条約が締結されたのは、Monroe大統領の任期中でした。James Monroe第5代大統領は、あのモンロー宣言(1823年[US047]12月2日)で知られます。

モンロー宣言はアメリカ大陸の独立国家にヨーロッパが干渉すべきでないこと等をその内容としますが、宣言当時はアラスカはロシア領であることに留意してください。1816年[US040,4*454]大統領に当選、任期は1817年[US041]3月4日〜1825年[US049]3月4日。


参考(1818年条約締結後のアメリカ領土の地図):https://ja.wikipedia.org/wiki/アメリカ合衆国領土の変遷#/media/File:United_States_1818-10-1818-12.png

文責:四々縦七

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