戦争の歴史からアメリカの地政学を学ぶ、と言っておいて、いきなりなんなんですけれど、アメリカの場合、領土「購入」の歴史が重要です。
そう、現代の超大国アメリカの地政学を学ぶことは、今後の日本の外交を考える上での「必須知識」なのですが、近代国家の地政学という観点からはアメリカが特殊であることも覚えておく必要があります。
1803年[US027]4月30日、アメリカはフランスのNapoléonから仏領ルイジアナを1500万ドルで購入した。アメリカの領土はミシシッピ川を越えて西に広がり、その面積は約2倍になった。
最初にクールザックリまとめてみました。
1803年[US027]4月30日、アメリカがフランスから仏領ルイジアナを1500万ドル(現金1125万ドル + 当時の借入金375万ドルを帳消し)で購入しました。
仏領ルイジアナはミシシッピ川以西からロッキー山脈までの地域でした。フレンチ・インディアン戦争(1754年[bUS022]〜1763年[bUS013])で負けたフランスからスペインに譲渡されていましたが、Napoléon Bonaparteが1802年[US026]にスペインから取り戻していました。
ニューオリンズはミシシッピ川の河口に位置する物流の拠点でした。Thomas Jefferson第3代大統領はニューオリンズ購入を提案しました。すると、Napoléon は敵対するイギリスから仏領ルイジアナを防衛することが困難なこと、売却益を欧州大陸での戦費に充当できること、アメリカがフランスを支持することなどを期待して仏領ルイジアナ全部の売却を決めたとのことです。
戦争と条約の歴史から地政学を学ぼうと考えていますが、「購入」は契約であり、条約の一種ということができるでしょう。
仏領ルイジアナ、ぜひ地図で見てみてください。まあ、当時の「アメリカの領土が2倍になった」という言葉だけでも実感できるかもしれませんが、地図で見るとその広さが分かります。
Thomas Jefferson第3代大統領は1776年[US000]独立宣言を起草。1800年[US004,4*450]大統領に当選、任期は1801年[US005]3月4日〜1809年[US013]3月4日。
参考(ルイジアナ購入後のアメリカ領土の地図):https://ja.wikipedia.org/wiki/アメリカ合衆国領土の変遷#/media/File:United_States_1803-04-1804-03.png
文責:四々縦七