?2020.08.17の週

08/17の週、アメリカとチャイナの事実上の「戦争」状態第5週において、アメリカはファーウェイ輸出禁止措置を強化、香港との犯罪人引渡し条約停止を通知など、トランプ政権の対中施策はブレなく続いている。一方で、正式に大統領候補となったバイデン氏及び民主党は親中的な姿勢を打ち出した。やはりバイデン新大統領が誕生すれば、民主主義・自由主義陣営にとっては危険な状態となる恐れがあることが改めて確認された。

一方のチャイナは、飲食浪費防止令や北京の防空壕周知、習近平訪韓合意などでお茶を濁す展開が続いている。裏を返せば、尖閣諸島奪取につながりかねない漁船団の派遣が「本当にあり得るカード」ということだと受け取れる。すなわち、中国共産党は、国内向けに支持率回復につながるメッセージを打ち出したくてウズウズしていると言うことだ。換言すれば、中国共産党が「香港安全維持法の制定」、「台湾併合」、「尖閣奪取」という3枚の「核心的利益」カードのうち「香港」だけで国内治安を維持できないと判断すれば、「台湾」も「尖閣」も現実的なチャイナからの脅威にさらされれることになると見るべきだろう。

今週は、米中対立だけでなく、ベラルーシの状況がますます緊迫してきた。ナワリヌイ氏に対する毒殺未遂疑惑も絡み、しばらくEUすなわちドイツ・フランスとロシアとの対立が続く可能性がある。

チャイナにつくかアメリカにつくか態度を決めかねているドイツとしては、ウクライナの件もあり、しばらくロシアとの対立姿勢をアピールして米中対立の先行きを見極めようと言う意図も働いている可能性がある。

  • 8/15(土),8/16(日) ベラルーシ:ルカシェンコ大統領が連日ロシアのプーチン大統領と電話会議
  • 8/16(日) チャイナ:尖閣周辺の東シナ海に設定した休漁期間が明けた。
  • 8/16(日) 日本:尖閣水域にチャイナ漁船20隻操業
  • 8/16(日) タイ:反政府デモに数万人が参加。軍出身のプラユニット首相の退陣と、タイ王室の改革を要求
  • 8/17(月) 日本:尖閣水域にチャイナ漁船6隻操業
  • 8/17(月) アメリカ:チャイナのファーウェイ輸出禁止措置を強化。対象企業に38社を追加し、禁輸対象となる半導体の種類を拡大、汎用品も規制
  • 8/18(火) 日本:尖閣水域にチャイナ漁船6隻操業
  • 8/18(火) 韓国:米韓合同軍事演習が開始。規模大幅縮小。指揮権移管は困難な見通しか?
  • 8/18(火) チャイナ:8/11に習近平国家主席が食べ残しなど飲食の浪費行為の防止を指示。豪雨や蝗害による食糧不足に懸念か?
  • 8/18(火) アメリカ:民主党全国大会で党綱領を採択。「民主党は中国からの朝鮮は軍事的なものでないと信じる」、「民主党は自滅的で一方的な関税戦争に訴えたり、『新冷戦』のわなに陥ったりしない」など親中的な表現が目立つ
  • 8/19(水) アメリカ:香港との犯罪人引渡し条約停止を通知したと発表
  • 8/19(水) アメリカ:大学の寄付基金に対し、保有する中国企業株の処分を要請。上場廃止リスクに備え
  • 8/19(水) EU:ベラルーシに対し、反体制派との対話を求める声明発表
  • 8/19(水) アフガニスタン:タリバン兵士の釈放について、アフガニスタン兵士の釈放と交換であるとの声明を発表
  • 8/20(木) アメリカ:バイデン氏の党候補指名受諾演説で、チャイナを名指しせず。就任すれば、親中的な外交政策を採る恐れ
  • 8/20(木) アメリカ:国連安全保障理事会にイランに対する武器禁輸措置継続を求める書面を提出。8/14(金)に国連安全保障理事会はイランに対する武器禁輸措置延長を否決している
  • 8/20(木) ロシア:ナワリヌイ氏入院、原因不明の体調不良で昏睡状態。ロシア政府の関与が疑われている。7/20、ナワリヌイ氏は反体制派団体「汚職との戦い基金」を閉鎖
  • 8/20(木) イラク:ムスタファ・アル=カーズィミー首相がホワイトハウス訪問。トランプ大統領と会談。イラクの石油電気相と米企業の合意締結を受けて
  • 8/21(金) チャイナ:8月中旬より北京で防空壕を周知する動き。戦時を演出
  • 8/21(金) ベラルーシ:チハノフスカヤ氏、リトアニアで出国後初の記者会見。政権にデモ弾圧中止と拘束者の釈放を要求
  • 8/21(金) チャイナ:香港で教育関係者らが「洗脳教育を断固拒否する」と声明発表。自主検閲で、高校教科書で天安門事件(1989年)や雨傘運動(2014年)などの記述の削除・削減が進んでいることが背景
  • 8/21(金) トルコ:黒海の天然ガス床についての詳細を発表。2023年までに採掘開始の予定
  • 8/22(土) 韓国:中韓高官会議でチャイナの習近平の早期訪韓で合意

文責:四々縦七

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