アメリカのCSIS(Center for Strategic and International Studies、政策研究機関「戦略国際問題研究所」)が、自民党の二階俊博幹事長および今井尚哉首相補佐官を’pro-China group’、つまり、「親中派」「チャイナ支持派」と名指しで指摘しました。つまり、二階氏と今井氏は、香港の自治・自由・民主主義を抑圧し、ウイグル・チベット・モンゴル人の人権を侵害するチャイナを支持している、と名指しで指摘したわけです。
分かっていたことですが、遂にアメリカから半ば公式に指摘される事態となってしまいました。
日本のメディアは「対中融和派」という表現を使うこともある様ですが、「pro-〜」は「〜支持派」や「親〜派」という訳語の方が分かりやすいでしょう。
さて、2020年7月23日より、アメリカとチャイナが事実上の戦争状態に入っています。日本は、アメリカともチャイナとも密接な経済関係にありますが、日本はアメリカと軍事同盟関係にあり、共に台湾を支援すべき立場にもあります。そして、何よりも重要なことは日本が自由主義・民主主義陣営に属するということです。
アメリカは、現代の唯一の超大国であると同時に、自由主義・民主主義の法治国家です。一方のチャイナは中国共産党の「党治」国家であり、独裁主義であり、国内的には少数民族の人権を侵害し、国際的には条約などの国際法を遵守しないうえに日本を含めた周辺国家に対して時代錯誤とも見える恫喝外交・挑発的外交を繰り返しています。
与党内に「親中派」「チャイナ支持派」の「二階・今井派」がいるということは、日本が自由主義・民主主義陣営の一員としての外交を展開していく上でのリスクです。「二階・今井派」を放置しておくと、アメリカやイギリスから日本は「親中」「チャイナ支持」と疑われるリスクを生じさせるわけです。
[…] Yet, the Chinese government’s connection to a recent bribery scandal involving LDP politician Tsukasa Akimoto, who was a key official in crafting Japan’s new integrated resorts development strategy, threatened to harm the Japan-China relationship. […]
https://csis-website-prod.s3.amazonaws.com/s3fs-public/publication/200722_Stewart_GEC_FINAL_v2%20UPDATED.pdf (15-16ページ)
Akimoto belongs to the LDP’s powerful Nikai faction (named for LDP Secretary-General Toshihiro Nikai of Wakayama Prefecture), which is the LDP’s pro-China group. This group is also referred to as the “Nikai-Imai faction.” Takaya Imai, a senior adviser to Abe and former METI bureaucrat, has persuaded the prime minister to take a softer approach toward China and its infrastructure projects on business grounds. Nikai, who has brought five pandas from China to a zoo in his hometown Wakayama, served as the prime minister’s special envoy to China to meet Xi Jinping in April 2019 and advocated for Japan’s cooperation on the BRI, regardless of the United States’ opinion. He has also advocated for Xi’s state visit to Japan.
しかし、二階俊博幹事長に地元和歌山のアドベンチャーワールド(https://www.aws-s.com)にパンダを5頭も「誘致」した実績があったとは!不勉強にして、知りませんでした。昨年時点では繁殖に成功し12頭にまで増えている様です。地元誘致って、やってることが昭和の時代から変わってないですね。
もう「日本が外交のことを考えないでもなんとかなる時代」(まあ、外交上の失点ばかりの戦後75年間ですから、そんな時代はいっ時たりともなかったというべきだとも思うのですが)ではありません。与党で責任ある立場にある政治家には、刻々と変化する国際情勢に対応しながら日本の外交・軍事戦略を考える視点を持ってもらいたいものです。
文責:四々縦七