「地政学」ってなに? 地政学の定義

「地政学」を学ぶために、まず「地政学」を定義しなければならないだろう。

わたしは、高橋洋一『世界のニュースがわかる! 図解地政学入門』(あさ出版 、2015年)に基づいて、地政学とは「世界の戦争の歴史を知ること」である、と定義する。

加えて、あくまでクールにザックリ地政学を学ぶべきだとわたしは考える。地政学を学ぶことで、「現在および将来の日本の外交・軍事について考えられるようになること」が目的だとすると、時間が経てば忘れてしまう細かい知識はむしろ邪魔と言うべきだろう。

重要な史実に絞って理解し、史実相互のつながりを合理的に説明できるようになることが学習の目的であるべきだ。そもそも、普通の日本人が「地政学の学習に割ける時間」は限られているだろうし。

高橋氏も同著で以下のように書いている。わたしは高橋氏に同意する。

必要なのは、「年号と出来事で事足りる」というくらい、冷徹に事実関係だけを把握する姿勢、そして「だいたいの流れを把握する」という大ざっぱな視点だ。

高橋洋一『世界のニュースがわかる! 図解地政学入門』(あさ出版 、2015年)

日本人ひとりひとりが、クールにザックリ世界の戦争の歴史を理解し、各自のユニークな歴史観・地政学的見解を持ちながら、日々の世界の出来事を観察していくのであれば、日本の外交・軍事戦略も効果的なものになっていくのではないか? わたしは、そんな風に考えている。

「平和憲法があれば、日本は戦争を仕掛けられることはない」と信じるのは個人の自由だろう。しかし、その盲信を大きな声で主張することは無責任だと言わざるを得ない。少なくとも科学的な根拠を示す必要があるだろう。

日本人の生命・財産などがチャイナ、北朝鮮、あるいは他の国の外交活動・軍事活動によって毀損されてしまった後に、「(日本だけは大丈夫って)信じてたけど、違ったね」と後悔しても遅いのだ。

文責:四々縦七